カテゴリ:調達ノウハウ キーワード:eBay 公費購入 研究機器 大学 代行 輸入
研究室で必要な機器が国内では手に入らない——そんな場面で、海外のオークションサイト「eBay」に目当ての機器が出品されているのを見つけた経験はありませんか?
しかし、eBayはクレジットカード払いが基本ですし、為替の変動や関税の有無等、出品されている段階では価格が確定しません。大学の公費(科研費・運営費交付金など)を使って購入するには、見積書・請求書払い・納品書の発行が必要なため、そのままでは購入できません。
この記事では、eBayに掲載されている研究機器を公費で購入するための方法を、実際の調達事例をもとに解説します。
なぜeBayで研究機器が買えないのか
eBayは世界最大のオンラインマーケットプレイスで、生産終了品・中古の精密機器・海外メーカーの計測器など、国内では入手困難な研究機器が多数出品されています。
しかし、大学や研究機関が公費で物品を購入するには、一般的に以下の書類が必要です。
- 見積書(発注前)
- 請求書(支払い用)
- 納品書(検収用)
eBayの個人・法人出品者は、こうした日本の公的機関向けの書類発行には対応していません。また、支払い方法もPayPalやクレジットカードが中心で、銀行振込(請求書払い)には対応していないケースがほとんどです。
解決策:国内事業者による購入代行
この問題を解決するのが「購入代行」です。
国内の事業者がいったんeBayで商品を購入し、その後大学宛に見積書・請求書・納品書を発行する形を取ります。大学から見ると「国内事業者との取引」になるため、通常の物品購入と同じ会計処理が可能になります。
具体的な流れは次のとおりです。
- 購入したい商品のURL(またはeBayのアイテム番号)を代行業者に連絡
- 業者が費用概算(商品代・送料・関税・為替手数料・代行手数料)を見積
- 大学が発注(見積書を会計に提出)
- 業者がeBayで購入・輸入手続き・通関
- 大学へ納品・請求書発行
- 検収完了後に支払い
実際にかかる費用の内訳
eBayからの輸入には、商品代金以外にもさまざまなコストが発生します。当ラボの実例(商品価格$1,000・米国からの発送の場合)を示します。
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| ① 商品代金($1,000 × 155円) | 155,000円 |
| ② 国際送料 | 8,000円 |
| ③ 関税(品目による、0〜10%程度) | 7,750円 |
| ④ 輸入消費税(①+②+③)×10% | 17,075円 |
| ⑤ 通関手数料(FedEx/DHLの場合) | 10,000円 |
| ⑥ 為替手数料(クレジット3.85%) | 6,272円 |
| ⑦ 国内転送料 | 1,500円 |
| 原価合計 | 205,597円 |
| ⑧ 代行手数料(原価×15%) | 30,840円 |
| お支払い総額 | 236,437円 |
国内定価の数倍するような機器でも、海外から調達すれば大幅に安くなるケースは多く、代行手数料を含めても十分なコストメリットが出ることがほとんどです。
随意契約は可能か?
「eBayにしか出品されていない機器を公費で買いたいが、競争入札が必要では?」という疑問を持つ担当者の方も多いと思います。
結論から言うと、比較対象が存在しない品目については随意契約が可能なケースがあります。
各機関の調達規程によりますが、以下のような条件が揃う場合に随意契約の根拠となりえます。
- 国内に同等品の流通がない
- 生産終了品であり代替品が存在しない
- 特定の研究目的に必要な型番・仕様が明確である
調達担当部門との事前協議と、根拠資料の整備が重要です。当ラボでは、こうした随意契約起案のサポートも行っています。
実績紹介
当ラボではこれまで、以下のような案件を対応してきました。
早稲田大学スポーツ科学学術院 National Instruments NI-9220(計測モジュール)をeBayにて調達。見積書・請求書・納品書を発行し、大学の会計処理に対応。
筑波大学体育系 Delsys Trigno Centro Package(EMG解析キット・16センサー)をeBayのポーランド出品者より調達。約320万円の案件のため、弊社協力会社との複数見積りにて随契1者見積不可の大学契約規則に対応。
秋田大学 National Instruments NI PXIe-1078(計測シャーシ)。国内流通のない中古品を海外EC経由で調達。
まとめ
- eBayの研究機器は購入代行を使えば公費で購入できる
- 国内事業者が間に入ることで、見積書・請求書・納品書の発行が可能
- 輸入に伴うコスト(関税・消費税・為替手数料など)を事前に把握しておくことが重要
- 比較困難品であれば随意契約の根拠になりえる
購入したい機器のURL・品名をお送りいただければ、費用概算と対応可否を無料でご案内します。まずはお気軽にご相談ください。
公的調達ラボ|info@public-procurement-lab.jp
